2016年6月14日火曜日

アメリカの銃社会。日本との大きな違い

 アメリカで大きな銃乱射テロがあり、百人を超えるという多くの死傷者が出ました。

 しかし我々には「銃乱射」と言われてもピンと来ないかもしれません。
 「何か恐ろしいことが起こった」というくらいにしか感じないと思います。

 それはなぜか?

 日本は「銃とほとんど無縁」の「銃なき社会」が定着しているからです。

 なぜそうなったかというと、元々日本では「銃よりも刀」という武士文化があったのもありますが。
 太平洋戦争の敗戦によって国土全ての武装解除が行われたこと。
 「戦力を持たない」と憲法で決められたことで、銃自体の需要が大きく廃れたこと。
 戦後のヤクザ抗争や赤化闘争への対処から、残された銃器もほとんど回収されていきました。

 あまりにも銃が社会から放逐されたせいで、銃を求める意見もあります。 
 例えばスポーツ射撃などは日本では中々できる場所がありません。
 実弾が撃てない文化はエアソフトガンの需要を生み出し、精巧で高価な玩具が出回っていますね。
 海外ではエアガンを持っていると警察に射殺されてしまう危険があるので銃口を赤く塗らなければならないとか何とか聞いたことあります。
 日本ではそういう制限はないです。

 一方でアメリカの銃社会は、極めて深刻です。

 拳銃の売買程度であれば、合法化されている国も多いし、その威力も限られているので大問題ではありません。
 いわゆる拳銃に属する武器は、威力が低く、命中率も高くありません。
 大口径の弾薬なら別ですが、急所に当たらなければ死ぬほどのダメージを与えられません。
 また、50mも離れるとほぼ当たりません。止まっている的に当てるだけでもかなり困難です。

 仮に事件を起こしたとしても、警察の方が強力な武器を持っていれば、すぐに捕まるでしょう。

 ところがアメリカでは、アサルト・ウェポンと呼ばれる強力な軍用火器の民生型が出回っています。





 AR15は特に大問題だと思います。
 これは軍用銃であるM16やM4とほぼ同じ機構を持つアサルト・ウェポンの一種です。

 威力は極めて高く、ヘルメットや防弾チョッキを貫通します。
 人体に命中すれば行動不能は確実で、急所に当たらなくても致命傷を負うことがあります。
 例えば横から腕に命中するとそのままブチ抜いて胴体に入り内臓を食い破ったりします。
 500m程度なら正確な射撃が可能です。

 M16やM4との違いは、フルオート射撃やバースト射撃ができないことです。
 1発ずつしか撃てないから大丈夫だろう、とアメリカ人は思っていました。

 



 もっとも抜け道はいくらでもあるものです。
 グリップを交換して自動で引き金を繰り返し引く「スライド・ファイア」や「バンプ・ファイア」を使えば簡単にAR15でフルオートが楽しめたりします。

 結局規制なんざ何の意味もなかったんですが、単発しか撃てないセミオートのモデルだとしても、今回の事件では100人以上を殺傷できるだけの威力と射程と命中精度を見せつけました。

 拳銃程度であれば、銃声を聞いて逃げだすだけで被害の多くは軽減されます。
 先に書いたように射程が短く命中精度も低いからです。全力ダッシュで50m逃げ切ればまず当たらない。
 弾数も多くてロングマガジン使用の20発程度でしかありません。
 
 AR15は通常のマガジンでも30発、100発装填可能な渦巻きマガジンも普通に売られています。
 それでいて人体やドアや机くらいなら貫通してしまうんですから被害は激増する。
 500mでも狙えるだけの精度があって反動も小さい。
 銃声を聞いてから全力で逃げ出しても、100mやら200m程度ならしっかり狙われたらおしまいです。

 まあこんなことを書いても銃マニアでない人には通じない感ありますね。

 要は、アメリカでこういう武器が「街中で普通に売られている」ということが大問題なわけです。
 警察でさえ鎮圧に手を焼くような軍用火器を一般人がぽんぽん買えてしまう状態です。

 このAR15という武器ですが、「アメリカのだいたいの人が使ったことがある」というところもあります。
 M16、M4はアメリカで徴兵されたり志願兵になれば必ず持たされるライフルです。
 AR15はそれらと全く同じようなメカニズム。つまり、軍経験者なら、誰もがこの銃のプロということです。

 そういう事情もあって、この銃が出るところは常に大規模な凶悪犯罪になりがちです。
 オバマ大統領が事あるごとに銃規制を訴えているのは当然でしょう。

 このようなアメリカの例を見るに、「銃なき社会」日本は随分マトモだってのが分かりますね?
 クソガキが面白半分に銃をぶっ放して他人を殺すとか日本ではまず起こりません。

 日本の規制がどれくらい凄いかというと…。

 「不法に銃を所持すると捕まる」
 「不法に銃弾を所持すると捕まる。さらに銃に装填すると罪が重くなる」
 「不法に銃を輸入すると捕まる。話に関わるだけで捕まる」
 「不法に銃を製造すると捕まる。密造しても技術がなく粗悪品しか作れない」
 「上記の『不法に』が海外より数百倍厳しく、一般人はまず合法所持に手が出ない」
 「日本に入る密輸品が海外ではガラクタレベルの粗末な銃(それでも買うという意味)」
 「管理が極めて厳しく警察や自衛隊が薬莢を毎回持ち帰る」
 「民間需要がほとんどないので軍民問わず価格が法外レベル」

 とかいう信じられない銃規制ぶりです。
 むしろこれが世界のスタンダードになればいいと思うんですよね。

 fin

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