2016年7月6日水曜日

6/2(1+2)=? に見る数学の問題点

 最近こういう問題についてツイートをしたところ大炎上しました。


【①】








 

 炎上した理由は、この問題をあるフォロワーに説明するために、このような式変形をしてしまったからです。


【②】









 この2つは何が違うかと言うと、答えが違います。
 ①は答えが1になり、②は答えが9になります。

 しかしながら①の答えが9だと言う人もいます。
 これも式変形を間違えてしまうからそうなってしまいます。


【③】














 という式があるとします。このとき、【──】の部分は、割り算をした結果であることを表します。
 なので、③を1行で書くならば、1/xyとなります。

 ③をもし、1/x*yと書いてしまうと、1/xにyを掛けているんだから、y/xになるじゃないか!と言われてしまいます。
 四則演算において割り算と掛け算は、特に括弧の区切りがなければ、左から順番に計算するというルールがあるからです。

 要するに、最初に書いたような①→②にしてしまう間違いは、xyはx*yに変形できるというところが間違いなわけです。
 6/2(1+2)は6/2*(1+2)に変形できないということです。
 正しくは、xy = (x*y)となります。
 これは自分の中でも曖昧になっていたので確認ができたのは良かったと思う。


 ところが、このような意見があります。


 【④】



 











 6/2(1+2)はこういう意味だから答えは9だ!と言うのです。

 確かに④の式は答えが9になりますが。
 それだったら、一行で書くときは6(1+2)/2になりませんか?と僕は思うんですよ。

 貴方は6(1+2)/2を書くために6/2(1+2)と表記するんですか?と聞きたくなる。
 6/2の部分は(1+2)の括り出しだと言うのであれば、せめて(6/2)(1+2)でしょう。

 割り算の左辺が分子、割り算の右辺が分母になるように書くのが本来理想的です。
 プログラムの世界では「認識による勘違い」がしばしばバグの原因になったりします。
 割り算は特に間違いを誘発しやすいので、ルール通りにしっかり書かれているかはデバッグを入念に行う必要があります。


 ところで、このような問題をミスった書き方の②でツイートした時、気になるリプライが飛んできました。

 「関数電卓で②を計算したらこうなった! 答えは9だ!」

 僕はこれを見て正直頭を抱えました。
 僕の間違いを自分で記述して説明するんじゃなくて電卓で説明を始めたのです。
 要するに自分で考える能力がないとドヤ顔で言われました。
 理系の大学生までそんなことを言ってたので流石に日本の将来が不安になりました。


 例えば僕が関数電卓を作った本人だとして、この電卓に致命的なバグを入れた状態で、貴方が「関数電卓で計算したから正しい!」と言ったとしたら、「間違ったことも正しくなって」しまいますよね。


 物事は自分で説明するのが基本なのですが現代人の考えは分かりませんね。
 少なくとも関数電卓で正しさを説明しようとするのは証明とは言えません。
 検算のための装置でしかないです。あれは計算結果を出しているだけです。

 そもそも僕が式変形を間違えていたことを誰も指摘できなかったわけですから、フォローしてもいない他人にクソリプ連打するくらいなら、前後のツイートを良く調べてから突撃して欲しいですね。

 僕が式変形を間違ったものをろくすっぽ確認もせずに関数電卓に打ちこんだのは君なんだから、君も間違っていることになってしまったわけですよ。ワハハハハ。


【⑤】















 

 ①の式はこのように書くことができます。
 この状態でzが分子の要素であると主張する人はいないと僕は信じています。

 仮にzが分子の要素であるとすれば、x/yz = xz/yになってしまいます。
 分子と分母が入れ替わってるじゃないですかやだーーーー!
 こんな式変形は絶対にありえないと思いますが、平然とそういうことを申される人がいるので気を付けて頂きたいものです。

 要するに6/2(1+2) = 6(1+2)/2という式変形は成り立たないので、④の主張は大間違いであるということです。
 ④は6(1+2)/2ということなのだから、それができなければ成り立ちませんよね?

 まとめると


【⑥】











 ここで、2(1+2)というのは(2+4)から2を括弧の外にくくり出したものと解釈できます。
 2(1+2) = (2+4) とは言えますし
 2(1+2) = (2 * (1+2)) とは言えますが
 2(1+2) = 2 * (1+2) とは言えません。

 このような式で積を計算するとき、四則演算の記号をただ追加するだけだと、割り算を先に計算されて結果が違うものになってしまいます。

 2(1+2)は四則演算ではなく、掛け算が終わった結果です。
 つまり③で書いたところのxyの形です。

 いやそれは違う、と申される方がいるかもしれませんのでさらに説明。

 幅がxで高さがyだとします。このとき、xyとは、幅x高さyの積、つまり面積です。
 質量がmで速度がvだとします。このとき、mvとは、質量m速度vの積、つまり運動量です。

 面積や体積の世界では、方向が違うものの積を、「掛け算が終わったもの」として取り扱うことができます。
 物理の世界では、単位が違うものの積を、「掛け算が終わったもの」として取り扱うことができます。
 まあ基本ですよね。


 先ほどの⑤をもう一度。


 で、xが面積(㎡)、yが横幅(m)、zが縦幅(m)だとしても、計算は順番通りに成り立ちます。
 yzは横幅と縦幅の積、つまり面積であると言えます。
 結果は⑥のようになります。単位も分子と分母で揃っているし、正しいと思います。

 これがもし、④のようにzは掛け算をしなければいけない!とか言いだすと、面積に縦幅を掛けて横幅で割るとかいう謎の計算を強いられることになってしまいます。

 積というのはそういうものではないと僕は思うんですがいかがでしょう。

 二次元の世界や物理の世界で説明すればそんなに難しい論理じゃないんですが、単なる文字だけで説明しようとすると間違いの元になります。

 繰り返すようですが2(1+2)は積であるから四則演算ではないです。
 四則演算の掛け算がとっくに終わったものです。

 だから6/2(1+2) = 6/2*(1+2) = 3*3 = 9
 という計算は間違いです。

 途中で四則演算の記号を追加してしまうミスをしています。
 それで計算の順番が狂って全く違う結果になってしまったわけですね。


 で、このどーーーーーーーーーーーーーでもいい炎上案件を振り返って思うんですが。

 数学や物理って本当はそんなに難しくないことだと思いません?

 説明する人がアホで国語ができないから難しくなっているだけだと思いません?

 実際、僕は30歳になるまでxyはx*yに変形できると本気で思っていて、とんでもない勘違いをしていたと思い知らされました。
 こういう細かいところを学校では習わなかったんだもの。
 学校で習っていないんだからできるわけもなかった。


 数学や物理ってもっと簡単に説明できるのではないか????
 なぜ簡単に説明するための努力を一切しようとしないのだ???????? 


 実際、教育のありかたというものは誰でも理解できてシンプルであることが望ましいです。
 しかし現実には、複雑怪奇な説明で全然理解できないまま無理矢理カリキュラムが進むという教育が横行しているような気がします。

 先に書いた「関数電卓で計算したから」という説明は、日本の教育の杜撰さを端的に物語っていると思います。

 自分の論理で説明するという基本的な教育ができていないから公式や電卓に頼るんですよ?
 権威に頼った論理など社会では大して役に立ちません。


 特に理系の世界では、「国語ができないから」理系に進んだというような人が目立ちます。
 僕がいた大学もそうでした。

 まず教授から国語ができていない。教科書を読んでも全く理解できないのです。
 数字と記号の羅列がひたすら並ぶだけ。それを毎日見続けるだけです。
 もちろん数式は合っていますが、その説明を理解するのに膨大な労力を費やし、最終的に勉強への意欲が削がれてしまう。
 言っていることは極めて単純なことなのに、なぜ理解できないのかってその時は本当に厳しい気持ちになって、鬱病になりました。

 結局そうやって優秀な人材を破壊していくんだから教育界はどうなのかなって思うんですよね。

 海外ではそういうことは無いという話を聞いたことがあります。


 おしまい


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